信書を伝達することは、江戸時代にも、飛脚の制度があったが、幕府や諸大名の公用便のほかは民間の請負であったから、必ずしも確実に届けられるという保証はなく、費用もかかり、速度もおそかった。ところが、明治四年(一八七一)三月一日(陽暦四月二〇日)わが国の郵便事業が発足してから「確実に、迅速に、そして安価に」ということをモットーに、努力した結果、現在のように世界に誇る郵便の発展をみたわけである。そこで次に、この三つの面から発展の姿を眺めてみよう。
2 近代郵便 2 Modern postal services