覚心譲状写

覚心譲状写[目録]


<翻 刻>
 管理番号 四四
遠山家文書史料番号 六
 
ゆ徒里わ多す
  まこ加藤弥二郎景房  所
               村々
  美濃国遠山庄手向郷自山北 名々自山
  南東西村々奥遠山上下村地頭職事
右地頭職者覺心重代相傳の所領也志る越景房
於さ那くよ利やういくして不便ニ存するあい多本御下
文度々の安堵の御下文今度於んしやう能御下文手継
證文等のこさす相制て件の所領景房ニ先度以自
筆ゆ徒里遣盤春也古ゝに長病之間以他筆余
の譲もせさ世申候阿ひ多かさねてかきあ多うるもの也
又景房可親父宗心ニ譲所の村々一曽んものこさす
宗心一期のゝ地ハかけふさに一円ニ譲あ多うる物也
二郎景顯ニゆつると古路の所領ハ景顯無子息ハ必
可付景房女子あらハその分限をあ多へて景房むね
も知行すへし先日自筆譲状此状詞雖有違事何も
もれすかけふさか心ニま可すへし不可有他妨是等の
次第致違乱ものハひとへニ覚心てき多いの仁として以上裁
可被行罪科者也仍而後為亀契永代譲状如件
 暦應五年四月十七日         覚心 花押