奈良女子大学は、その前身であった奈良女子高等師範学校(明治41年創立。以下女高師)時代から使用されてきた数多くの教育標本を所蔵しています。本資料群は、そうした教育標本のなかの「玩具」「歴史標本」です。玩具類の多くは、株式会社三越呉服店大阪支店ならびに株式会社三越大阪支店から購入されています。ドイツ製の玩具類も含まれています。家庭教育の重要性が浸透しはじめた近代において、遊びながら学ぶことのできる玩具は、子どもの教育という観点において関心が高いものであったようです。本資料群は、女高師が当時、時代の最先端をいく児童用品の数々を教材として集めていたことを示しています。歴史標本は、学生たちに教科書を読んで学ぶだけではなく少しでも歴史の息吹に触れさせるため、島津製作所を含むさまざまな相手先に依頼し制作・収集されました。