資料解説
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昭和9年9月13日南パラオ南東海上に発生した室戸台風は、21日に高知県室戸岬付近に上陸し、京阪神地方を中心として甚大な被害をもたらした。記録的な最低気圧・最大瞬間風速を観測し、高潮被害や強風による建物の倒壊被害によって約3000人の死者・行方不明者を出した。枕崎台風(1945年)、伊勢湾台風(1959年)と並んで昭和の三大台風のひとつに数えられる。午後8時に深江に上陸、当時の西宮市域では大浜町・朝凪町の堤防が全壊し、高潮により阪神電鉄以南はほぼ浸水した。◆芦原小学校は東側校舎が倒壊し、鉄筋コンクリート造3階建てに改築することになった。学校の設計は堅牢な建物であることを目指し、ボーリングによる地質検査を行い、芦原・用海小学校、市立西宮高等女学校は地盤が軟弱であったため鉄筋コンクリートの杭を打って基礎の万全を期した。復旧工事は2年7ヶ月にわたり、昭和12年5月11日、浜脇小学校新講堂で用海・今津・芦原小学校、女学校5校の竣工祭が行われた。◆写真は新校舎屋上から南西方向を見ている。右側の大屋根は西福寺、家並みの上に突出している建物は省線西宮駅の貨物用建造物。
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