資料解説
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前庭に芝生、樹木や池があり、ステンドグラスの窓を持つスパニッシュ・コロニアル風の瀟洒な図書館は市民の憩いの場でもあった。設計は、市庁舎と同じく阪神間モダニズムを代表する建築家の一人、古塚正治氏。戸田町に生まれ、西宮第一小学校(現浜脇小学校)を卒業し、海外留学後の大正11年に八馬兼介氏の諸会社の建築顧問となり、翌年市庭町に建築事務所を構え、西宮とは縁が深い。父親が初代市長紅野太郎氏と懇意であったことから設計の話が持ち込まれたという。◆ 昭和23年にCIE図書館(GHQ設置図書館)が併置され、昭和26年のサンフランシスコ条約により、昭和27年から神戸アメリカ文化センター西宮デポジットとなる。正面入り口にはその看板がかかっている。手前に畑(のちに阪神電鉄の社員寮、現在は六湛寺南公園)が広がる。◆ 昭和40年、市民会館建設のため市立図書館は現市役所南館の場所へ移転した。
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