資料解説
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6月初旬以来断続して降雨が続いており、地盤の含水状態が飽和に近い状況であったところへ、7月3日、4日、5日と日をおうごとに降水量は増え、地盤の吸水力は全く機能を失うに至った。「降ると云うよりは車軸を流すが如く、轟々たる爆音を立て一歩屋外に出れば濡れるというよりは水中に飛び込むが如き」と形容された。六甲山系を中心とした山地の大崩壊となり惨事を引き起こし、死傷者、行方不明者及び建築物の被害は神戸市及び阪神間が最も甚だしく、「阪神大水害」と命名された。◆直前に関東地方で利根川水系の大洪水があり案じられていたところに、東川、御手洗川堤防被害の一報が入り、次いで夙川・久出川・中新田川堤防の決壊が伝えられる。瞬く間に六湛寺川が氾濫し、繁華街などが水没した。◆御手洗川の溢水は省線(JR)の土手でせき止められ、江上町など線路北側にしばしば溜まる。浸水を予想し、畳は上げられ、押し入れの上部に家財を詰め込む。取り外したふすまも物置として活用される。
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