解題・説明
|
蛇の目の紋入り長烏帽子を冠り、鎖かたびらの上に陣羽織を付け、長柄の片槍で清正が虎を退治している場面を描いた図である。加藤清正は安土桃山時代の勇将で、豊臣秀吉の家臣として武功多く、若年時の賤ヶ岳七本槍の一人としての功名や朝鮮征伐等で知られている。武者絵では、『絵本太閤記』から取材した「朝鮮攻め」のため大船で家臣ともども同地へ渡航する姿を武内宿禰にとりなしており、また、朝鮮における「虎退治」の形を古代の猛将膳臣巴提便(かしわでのおみはてべ)や、虎を屈服させた和藤内(わとうない)に擬して作成している。
|