解題・説明
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闘鶏で遊ぶ徳川三代幼君を見守る大久保彦左衛門を描いた図である。彦左衛門は、天正3年(1575)徳川家康に仕え、翌年17歳の時、兄忠世に従って遠江乾城の戦いに初陣して以来多くの戦いに戦功をたて、天正18年(1590)家康が関東移封の後2千石を領した。幾度となく家康と共に戦場を馳駆(ちく)し、「大坂の陣」に大功あって諸侯に列せんとの沙汰があったが、無欲恬淡な彼は固辞して受けず、ただ天下の御意見番として家康が重大事を議するごとに列席して忌憚なき意見を吐露した。彦左衛門は、家康・秀忠・家光の三代の将軍に仕え、晩年奉行となり寛永16年12月29日没した。
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