解題・説明
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15人の男女が和太鼓を打ち鳴らし、熱心にお題目を唱えている図である。寒中にありながら、前列に座す男性は腕まくりし、気合の入った祈願をしている様が伝わってくる。拝み図にこれだけ多くの人物が登場するケースは珍しい。一般的には、家族願い図や夫婦願い図・一人の願い図といった類である。奉納年月日からして、日清・日露戦争に関する拝み図とは関係がなさそうである。奉納者は、南今泉納家(屋)の花澤五郎吉である。稲生神社は、本町で最も多数の絵馬・奉納額を今日に伝える古社であり、しかもその多くが大絵馬である。画題も豊富であるところから専門家の注目するところである。この願い図も大きさや内容から見て立派なものである。
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