一つとせ　一番袋に積み込んで　朝から晩まで水揚(みじゃげ)する　浜大漁だね

二つとせ　二つ並べたこの袋　どちらがいかかろ賄(まかね)さん　浜大漁だね

三つとせ　皆一同にまねを揚(あ)げ　陸者(おかもの)集めの知らせまね　浜大漁だね

四つとせ　寄せては返す一瀬(ひとせ)おり　沖じゃ地曳がもやい船　浜大漁だね

五つとせ　いつ来て見てもこの浦は　粕(かす)や干鰯(ほしか)で隙がない　浜大漁だね

六つとせ　六つから六つまで粕割(かすわり)が　大割小割で手にあまる　浜大漁だね

七つとせ　波もなければ風もない　トロトロ逆潮(さかしょ)で寄せてくる　浜大漁だね

八つとせ　やたら無性にヨリがきて　縄たてムシロが間に合わぬ　浜大漁だね

九つとせ　この浦護(まも)る今泉(いまいずみ)の　龍神ご利益あらわせる　浜大漁だね

十とせ　　十(とお)が重なりゃ百となる　千を通り越す万両年　このおめでたや

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