解題・説明
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8世紀中ごろ中国(唐)で作られた鏡の破片です。図柄には、伝説上の動物である鳳凰の上半身と、その上部に麒麟の前足のひづめが見られます。元々は直径15cm程度の、縁が花形の鏡であったと考えられます。同じ遺跡からは、僧の托鉢用の鉄鉢を模した土器や、すず(鐘鈴)や焼き物で作った仏塔(瓦塔片)の破片など、仏教色の強い遺物が出土しています。発見されたのは竪穴式住居跡からですが、住居の中に廃棄された物のなかに含まれていたようです。唐代の鏡は神社などに伝えられたり、お寺に関係した遺跡や墓などから出土する場合などがありますが、このような住居跡からの出土は珍しい例です。
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