解題・説明
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九十九里の荒海へと船出する、6人の漁師達の姿を力強く描いた図である。櫓を漕ぐ男たちの肉体は逞しく力量感がみなぎっている。白波とエメラルドグリーンの海が美しい。九十九里大漁節に 一つとせ 一番袋にきめこんで 朝から晩までしょいあげる 浜大漁だね コリャコリャ 五つとせ いつ来て見てもこの浦は 粕や煮干で席がない 浜大漁だね コリャコリャ と歌われたほどの大漁であった。江戸時代の文化・文政・天保・弘化・嘉永年間のころは特に大漁であった。九十九里大漁節が誕生したのも天保年間のころと考えられ、銚子の大漁節にならって、独自の歌詞をつくり労働歌として歌われてきたといわれている。
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