解題・説明
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この図は、日清戦争(明治27・28)における大鳥圭介等がテーブルから立ち上り、日本の権利を主張し激しく談判している場面を描いたものと思われる。清国側代表の驚いている様子が少々滑稽に描写されているが、画面は活き活きとし緊迫感がみなぎっている。日清戦争は、朝鮮の支配をめぐって日本と清(中国)間で起こった戦争である。明治27年6月2日、日本政府は議会を解散し朝鮮への出兵を決定した。同月10日大鳥圭介朝鮮駐在公使は、陸戦隊を率いて漢城(ソウル)に帰任し、7月23日、日本軍は漢城の朝鮮王宮を占領した。戦争は、日本軍の圧倒的勝利に終わり、翌明治28年(1895)3月20日より下関の春帆楼(しゅんぱんろう)で講和会議が開始された。日本全権は首相伊藤博文、外相陸奥宗光と清国全権李鴻章間で日清講和条約が調印された。この図は、下関条約翌年に奉納されている。
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