解題・説明
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この図は、題名が示すように、アメリカのポーツマスで開催された日露戦争(明治37・38年)の講和会議を描いたものである。会議は、第26代アメリカ大統領セオドル=ルーズベルトの斡旋で、ニューハンプシャー州のポーツマスで1905年8月10日から約4週間にかけて開催された。前日の9日に開かれた予備会議は、全権外務大臣小村寿太郎、駐米特命全権公使高平小五郎およびウイッテを首席全権とした。この戦争は、日本にとって軍事的にも財政的にも非常な困難を伴い、勝利の見通しは立っていなかった。そのため早期に妥結をはかる必要があり、開戦と同時にできるだけ有利な条件で講和を結ぶ準備がなされたのである。(絵馬番号53参照)
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