かつて日本一の出炭量を誇った三池炭鉱の発展とともに大牟田市は「炭鉱のまち」として栄え、1997年に閉山を迎えたものの、炭鉱跡など現存する三池炭鉱関連資産は2015年7月に世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の一部として登録され、当時の様子を現在に伝えています。
大牟田市立図書館および大牟田市立三池カルタ・歴史資料館では、所蔵する三池炭鉱関連資料について、日本の近代化を支えた石炭産業の歴史的・文化的価値を紐解くうえで重要な史料として、調査研究促進および保存の観点からデジタルアーカイブ化を進めています。
戦後日本における最大規模の労使紛争「三池争議」の渦中に発行されたビラ類、三池炭鉱を政府から引き継いだ三井財閥の三池炭鉱社設立から創業満50年を期して編纂された社史『三井鉱山五十年史稿』、三池炭鉱に関わる鉄道や港・施設等を写した写真からなる絵はがき、大正後期から昭和初期の市街図や実測図・職業明細地図など、貴重なコレクションを高精細デジタル画像化して公開しています。
今回公開した資料の中には当時の社会的差別を反映した用語や表現が使われている部分もありますが、これらが歴史的資料であることに鑑み原文のまま掲載しました。それは歴史的事実を正しく理解していただき、差別と差別意識が根絶されることを願うからです。人権擁護・差別撤廃の視点に立ってご利用ください。
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「大牟田市三池炭鉱歴史資料デジタルアーカイブ」は公益財団法人図書館振興財団の2019年度提案型助成を受けて実施しています。
収録している「三池争議関係史料」の目録データおよび「三井鉱山五十年史稿」の画像データは、2018~2020年度科学研究費助成事業研究成果公開促進費プロジェクト「三池炭鉱歴史資料データベース」(代表=宮本隆史・東京大学助教)により作成されたものです。