解題・説明
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第2回雨聲會の宴席風景を撮影した写真。1907(明治40)年10月18日に芝・紅葉館階上大広間で開催された。雨聲會という名称はこの会で付けられた。 第2回の集いは、第1回雨聲會(同年6月17日から19日)へ文士たちを招待した西園寺公望への、文士たちによる返礼の意が込められた会であった。また、この会の幹事であった巌谷小波の回想によれば、当時政界は鉄道の国有化問題等で非常に混乱していた時期であった。そのさ中、3日3晩に渡って開かれた第1回雨聲會に対して、また前代未聞の首相による文士招待に対して世間からは疑問と批判の声が相次いだ。このような「うるさい」声を「癪」に感じた文士たちの相談の結果も影響したという。 雨聲會はその後も回を重ね、第7回(1916(大正5)年4月18日)まで場所や人を変え、開催された。写真は、右から、柳川春葉、内田魯庵、幸田露伴、横井時雄、西園寺公望、塚原渋柿園、広津柳浪、後藤宙外、川上眉山、中央後ろ向きが巌谷小波。ほかに、島崎藤村、田山花袋、大町桂月、徳田秋声、国木田独歩の参加があった。
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