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第一編 人物誌
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第三章 爛熟期(大阪陣より明治維新迄)
(一二三)日傭長次郞
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【堺の人】
日傭長次郞
は堺の人。【孝子として褒賞さる】夙に父を喪ひ、繼母に事へて至孝、其病を看護し、或は之を負ふて御堂の勤行に參詣する等奇特の行爲、奉行に聞こえ、元祿六年召出されて、
戎嶋
に於て茶屋株を與へられ、褒賞された。長次郞は此十株を以て、金子三十兩を借り、金若干を加へ、田畑五六反を購ふて之を耕作し、後屢々奉行所に召されて、金子或は物品を給はりなどして、安樂に繼母を養ふたと云ふ。(堺史料類纂)