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第一編 人物誌
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第三章 爛熟期(大阪陣より明治維新迄)
(一二六)城門琴
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【
梁田邦敬
の妹】
城門琴
は堺の處士城門克念(通稱
萬代屋
久兵衞)の二女で、明石侯の文學天柱
梁田邦敬
の妹に當る。明和三年八月生。性溫順貞操、書道、裁縫、彈に箏通じた。十五歳某家に歸嫁して居ること五年に及んだが、足疾を患ひ、自ら請ふて離婚した。【孝友】爾後家居十三年、孝友一日の如く、再嫁を固辭して子弟の教訓を事とし、就學のもの頗る多かつた。【墓所】寬政九年冬病むこと二旬、十一月三日行年三十五歳を以て夭折し、
安養寺
先人の兆域に葬つた。兄邦敬其死を哀み、自ら墓碣銘を作つて鐫刻した。(墓誌)