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(一二九)榮譽宗春

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 宗春字は榮譽堺の人。【堺廢寺の復興】洛東知恩院の萬無玄譽に歸依し、往生淨土の要法を聞き、同鄕の廢寺を復興し、和尚の畫像を揭げて中興の標とし、且請ふて永く如法淨業の道場とした。實に婦人の身を以て、丈夫の功を成すものといふべきである。(緇白往生傳下)右寺號は傳はつてゐないが、現市之町東六丁所在法行寺の記錄に據ると、同寺は萬無和尚の中興であるから、恐らく同寺であるかも知れない。(寺院調査表)天和二年十二月病を獲、獅子谷の信阿忍澂に、命數の盡くる日の導
 
 師たらんことを請ひ、澂師述作にかゝる三心私記の既に脱稿せるを聞き、鏤梓の資を投じ、汎く之を世に頒たんとしたが、未だ其志を果さゞるに、其月十四日往生を遂げた。(緇白往生傳下)【墓碑】遍照寺の兆域に巨大なる五輪塔の墓表がある。