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(二〇〇)中村常興

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 【海部屋利左衞門中村常興字は伯起、幼名は和吉、更に和助又は理兵衞と改め、後利左衞門と稱した。常雄の子で、寬延三年生誕した。【代々堺市之町濱に住す】屋號を海部屋と稱し、代々堺市之町濱に住し、富豪を以て知られ、又累世同町の年寄役を勤めた。【賦性】【客を愛す】常興稟賦洒脱、古史を涉獵し、且貧者を憐れみ頗る客を愛した。【墓所】文化四年三月九日享年五十八歳を以て歿し、落齒及び遺髮を長泉寺に瘞めた。法諱を宗與理性居士といふ。子無く、家妹の澤某に嫁して生むところの子、常春を嗣とした。(墓誌)