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(二〇四)鳥海雪堂

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 鳥海雪堂名は惠源、後痴仙と改めた。【酒田飽浦の僧】出羽酒田飽浦の眞宗僧侶である。【詩書、琴曲を能くす】人と爲り、敦厚朴實、詩書及び琴曲を能くした。少壯隱逸の志あり、寺務を法弟某に囑し、諸國を歷遊した。後京攝の間に寓居して自適し以て自ら娯んだ。【大安寺に寓す】學を乞ふものあれば、輙ち諄々として之を教へ、毫も祕惜せず其攝津に在るの際、屢々堺に來り、大安寺の楞嚴菴に寓居した。古家殷文等詩文を問ひ、交情頗る厚かつた。晚年復江戸に住し、嘉永六年六月朔日享年七十三歳を以て示寂した。(雪堂道人略傳)