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第一編 人物誌
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第三章 爛熟期(大阪陣より明治維新迄)
(二〇四)鳥海雪堂
345 ~ 345 / 897ページ
鳥海雪堂
名は
惠源
、後
痴仙
と改めた。【酒田飽浦の僧】出羽酒田飽浦の眞宗僧侶である。【詩書、琴曲を能くす】人と爲り、敦厚朴實、詩書及び琴曲を能くした。少壯隱逸の志あり、寺務を法弟某に囑し、諸國を歷遊した。後京攝の間に寓居して自適し以て自ら娯んだ。【
大安寺
に寓す】學を乞ふものあれば、輙ち諄々として之を教へ、毫も祕惜せず其攝津に在るの際、屢々堺に來り、
大安寺
の楞嚴菴に寓居した。
古家殷文
等詩文を問ひ、交情頗る厚かつた。晚年復江戸に住し、嘉永六年六月朔日享年七十三歳を以て示寂した。(雪堂道人略傳)