床雪字は白翁、聽松軒と號した。【駿河興津の人】駿河庵原郡興津天野藤十郞の弟で、文政六年五月出生した。【得度】十二年同郡飯田村長福寺の逸堂に得度し、業を讚岐丸龜玄要寺の綾河に受け、弘化五年十二月長福寺の住職となつた。【參究】天龍寺雪航を寺坊に請して參禪、し南禪寺の梅嶺、遠江の實禪等は皆同門であつた。【南宗寺の僧堂を董督す】明治十七年に至り堺南宗寺に徙り、僧堂を董して多くの門侶に接した。【靈雲院に歸る】次いで亦洛西妙心寺靈雲院に歸り、(長福寺岡瓊山氏報告書)十八年二月十九日歿した。享年六十三、(靈雲院報告書)【墓所】遺骨を長福寺に葬つた。(岡瓊山氏報告書)