|
解題・説明
|
白峯寺より東の方角にある猪の谷に、角礫凝灰岩製の笠塔婆がある。方形の基壇の上に方33センチの四角柱の塔身を立て、前面下方に「下乗」の二字が刻まれている。上部に厚さ12センチ、直径63センチの円盤に金剛界大日如来の種子「バン」を刻んだ摩尼輪を付けている。さらに柱上に方58センチ、高さ32センチの宝形造の屋根形の笠石と宝珠を載せている。塔身左側に『元応三□二月十八日』(1321)の刻銘、右側に『願主金剛仏子宗明敬白』と刻まれている。 このような塔は寺社の参拝者に対し、これより聖域であることを示すもので、これより内は乗り物を降り、徒歩で参拝するよう『下乗』と記したもので、下乗石、または摩尼輪塔と呼ぶ。この塔婆の横に隣接して、花崗岩製の下乗と刻んだ大きな碑が建っている。これは摩尼輪塔の保護のため、九代高松藩主松平頼恕公が「天保七年丙申三月」(1836)に添碑を建てたものである。 白峯寺への参道は高松、国分寺、神谷、青海道などがあり、各所に建てられていたが、この猪の谷のものが原型で残り、西寺には形をとどめるものがある。また、花崗岩製の下乗石は西寺と神谷道に建てられている。
|