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解題・説明
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ゲンジホタルは、本州・四国・九州に分布する体長12~18ミリの大型種。成虫は5~6月頃出現し、川岸の草やコケに卵を産み付ける。 卵は1月程で孵化し、カワニナ等を餌として成長し、冬を越す。越冬した幼虫は3月頃から活発に行動し、カワニナ等を捕食して成長を続ける。成長した幼虫は4月頃上陸し、川岸に潜って土繭をつくり、約40日でサナギとなり、10日程で羽化して成虫となる。成虫は食物を取らず、草や木の露をなめて10~18日間生きている。 国宝神谷神社の横を流れる神谷川は、多くの安山岩の転がる清流で、げんじ蛍が多く自生し、餌となるカワニナも多かった。通常、5月末頃から7月頃にかけて多く発生していたが、昭和50年代には周辺の環境の変化もあり、げんじ蛍の数も減少していた。調査の結果、餌となるカワニナ自体が激減しており、げんじ蛍の生育自体が危ぶまれる状態になり、保存のための指定がなされた。 このことを危惧した地元の人々により、神谷川の環境を守る会がつくられ、神社の南に、神谷川の上流の池から清流を引き、ビニールハウスでカワニナの養殖場を造った。神谷川にカワニナが自生するようになり、げんじ蛍も見られるようになり、ホタルの生育に適した環境が戻りつつある。6月には祭を催すなど、地元の人々の手厚い保護でげんじ蛍の回復が期待されている。最近、神谷川下流での発生が多くなっている。
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