人類の製作した道具の材質が、石器、青銅器、鉄器の順に変遷したことを明らかにしたのは、一九世紀の中頃に北ヨーロッパで活躍したデンマークの考古学者トムセンであった。
さらにイギリスの考古学者J・ラボックは、人類の歴史のなかで、もっとも長い時代であった石器時代において、人類が主として打製石器を用い、マンモスや洞窟グマなどの絶滅した動物種とともにヨーロッパで生活していた更新世(約二〇〇万年前~一万年前)の段階を旧石器時代と定義づけた。それに続く磨製石器や弓矢、土器などを用い、農耕や牧畜などが行われるようになった完新世(約一万年前以降)の段階を新石器時代とした。
世界の考古学界では、旧石器時代を、前期(二〇〇万年前から八~七万年前)、中期(八~七万年前から四~三万年前)、後期(四~三万年前からほぼ一万年前まで)に分けている。ソ連や日本の考古学界では、前期と中期を合わせたものを前期とし、後期は、両者ともほぼ一致する二期分法をとる場合が多い。