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時期区分

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 縄文土器は変形自在な可塑的な粘土を材料としているので、思いどおりの表現が可能である。したがって地方ごとの好みや時代による流行が、その形や文様の上に忠実に表現される。この性質を利用して、縄文土器の時間的変化を時期区分の基準とする方法が、縄文土器の編年とよばれるもので、考古学の基本となるものである。
 わが国の縄文時代を、六期に区分したのは山内清男であった。すなわち、草創期、早期、前期、中期、後期、晩期である。各時期はさらに縄文土器の詳細な時間的変化を目安にして、十数段階に細分されている。
 北海道の縄文土器の研究も昭和十年代から開始され、編年も整備されてきたが、本州の草創期に相当する遺物が不確実なこともあり、一般には早期から晩期に至る五期区分が行われている。