札幌市内で発見されている早期の土器は、まず貝殻文・条痕文を特徴とする平底および尖底土器の仲間が、豊平区のT二一〇遺跡、白石区のS二六七・二六八遺跡、T二八一遺跡から出土している。また、早期後半の絡条体圧痕文、組紐圧痕文、撚糸文、それに微隆起線文などが付される土器は、S二五六遺跡で三軒の竪穴住居跡から発見されている。
石刃鏃文化の所産になると考えられるものは、S九一遺跡より採集された細身の石刃、S九六遺跡より採集された石刃槍がある。石器製作上の技法などからみて、石刃鏃文化期のものであることはまちがいない。