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オホーツク文化と土器

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 オホーツク文化とは、六~七世紀頃に、樺太の南部で成立し、北海道のオホーツク海沿岸部に渡来した外来の文化である。オホーツク人は、海に積極的に適応した漁撈・狩猟・採集民でイヌ・ブタを飼育していた。
 オホーツク文化の特徴となるオホーツク式土器は、低温で焼かれるため暗黒色を呈した壺、甕などの単純な形態をもつ。その古い段階は、鈴谷式や十和田式とよばれる土器である。鈴谷式にみられる撚糸圧痕文などは、続縄文土器にみられる縄線文と関連するものであろう。続く江ノ浦式にみられる肥厚帯土の刻み目文などを介在して、刻文や粘土紐を貼付した浮文をもつ本格的なオホーツク式土器が成立する(写真22)。
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写真-22 オホーツク式土器(網走市モヨロ貝塚)

 石器としては、石鏃が使用されるが、他に定形的な石器は少なく、鉄製の直刀や刀子、斧、青銅製の鈴や銙帯金具(こたいかなぐ)など鉄、青銅、錫などの金属製品が多く、これらのなかには、樺太を経由して、黒竜江流域からもたらされたものも多い。