ビューア該当ページ

石刃石器群

160 ~ 160 / 1039ページ
 一方、約二万年代以降の資料については、おおまかに前半期(約二万~一万四〇〇〇年前)と後半期(約一万四〇〇〇~八〇〇〇年前)の二段階に分けられる。いずれも石刃技法を普遍的に有し、また石器の素材として石刃が多く使われる石刃石器群と称すべき文化である。さらに、これらの遺跡ではその組成の一員として一端ないし両端に樋状剝離(はくり)(fluting)のある「舟底形石器」、「細石刃核」、「(多面体)彫刻刀」と呼ばれる石器を通例伴うもので、巨視的には細石刃文化ないし細石刃技術伝統を保有した一連の文化で、本州に比べて北海道では細石刃技術が卓越しているといえる。