早期の後半期にいたると、土器の形もほぼ均一化し全道的に類似した文様の土器が一斉に広がる。竪穴住居跡の発見例も飛躍的に増し、集落の規模も非常に大きなものとなる。札幌市S二五六遺跡のように、住居跡の床面からクルミ、ドングリが多量に検出されたように、植物質の食糧に対する依存度も大きかったようである。この時期についても、石器の組成は道東北部と、石狩低地帯付近から道南にかけてではかなり差異が認められる。石狩低地帯から道南にかけての地域では、縄文時代早期の前半期である貝殻文・沈線文土器に伴う石器組成が、その後に展開する縄文時代全般の石器組成の基本となっていることが留意される。