装身具類としては、玉、環石等がある。玉類のうち管玉は、恵山文化期にはじめて出現するもので、本州の弥生文化に密接に関わりのあるものとされている。土壙墓には、多量の琥珀製の平玉が副葬されることも知られている。札幌市内では琥珀製の玉が多量に発見されたことはまだないが、N二九五遺跡第二五号ピット(土壙墓)の壙底面には二個の土器、石鏃をはじめとする石器が一二点副葬されていた。その内の石鏃の一点は、琥珀製である。実用に供されたとは強度の点からも考えられず、玉と同様の意味で副葬されたものと考えられる。
後北C1式土器以降になると、副葬品中にガラス玉も出現するようになる。北大式土器には、滑石製の小平玉(管玉を輪切りにした可能性が高い)がガラス玉と共に多量に土壙墓中に副葬される例も見られる。S一五三遺跡第五〇二号ピット、K三九遺跡(北大構内ポプラ並木東地区)第三~五号墓がその例である。