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アイヌとの距離関係

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 道南西部の縄文時代人を一括すると、前述したとおり男性四例、女性一〇例が計測可能であった。頭骨の計測値にもとづいたペンローズの形態距離では、男性は四例中一例のみが本州縄文人よりもアイヌに近いのに対して、女性は一〇例中八例までがアイヌに近いという結果であった。この男女間での距離関係の相違をどのように解釈したら良いのかは、今後の課題である。ただ、すくなくとも、近世アイヌ的な特徴の一部は、すでに縄文時代にその萌芽がみられる、と結論しても大過はないであろう。