札幌県立の時代の教員、生徒等を示すと表9のとおりである。また『札幌県学事第二年報』によれば、十六年現在で教員も適任者がいないためまだ不足であり、かつ生徒も「学業ノ進歩ハ甚タ遅緩ナリ、是全ク生徒募集ノ際、之ニ応スルモノ少ナキニヨリ止ムヲ得ス学力不充分ナルヲ採リタルニ由ル」と、応募者の少ないことを記し、同第三年報でも「其学業の進度ハ未タ著ルシキヲ見ス」と記している。初等教育すらいまだきわめて不十分の状態で、むしろ当然の結果といえよう。
表-9 札幌県師範学校の規模 |
年(明治) | 15 | 16 | 17 | 18 |
教員数 | 16 | 7 | 9 | 10 |
生徒数 | 30 | 49 | 64 | 50 |
卒業者数 | 10 | 5 | 8 | 21 |
1.明治15年の教員数は創成学校兼務を加えている。 2.卒業者数は初等師範科のみ。 3.山崎長吉『札幌教育史』上巻による。 |