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県立師範学校

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 仮師範学校は、翌十六年五月に札幌県師範学校となり、同時に附属小学校に関する職制も定め、六月には県立師範学校規則を制定した。その中で修業年限を初等師範科を一カ年、中等師範科をニカ年半、高等師範科を四カ年とし、それぞれの学科および学科授業要旨等も定めた。同時に北一条西三丁目に一〇五坪の校舎、寄宿舎、附属小学校を新築し、十七年一月に完成したことにより、教員もこれまであった師範学校と創成小学校の兼務はとかれ、事実上も独立の教育機関となった。
 札幌県立の時代の教員、生徒等を示すと表9のとおりである。また『札幌県学事第二年報』によれば、十六年現在で教員も適任者がいないためまだ不足であり、かつ生徒も「学業ノ進歩ハ甚タ遅緩ナリ、是全ク生徒募集ノ際、之ニ応スルモノ少ナキニヨリ止ムヲ得ス学力不充分ナルヲ採リタルニ由ル」と、応募者の少ないことを記し、同第三年報でも「其学業の進度ハ未タ著ルシキヲ見ス」と記している。初等教育すらいまだきわめて不十分の状態で、むしろ当然の結果といえよう。
表-9 札幌県師範学校の規模
年(明治)15161718
教員数167910
生徒数30496450
内 訳
初等科493810
中等科2635
高等科5
卒業者数105821
1.明治15年の教員数は創成学校兼務を加えている。
2.卒業者数は初等師範科のみ。
3.山崎長吉『札幌教育史』上巻による。