その後区会内には順次常設委員会、土木委員会、勧業委員会、公園其他設営委員会など、様々な目的をもって委員や委員会が設置される。都市計画に関わりのある委員会それぞれの調査事項を示そう。
常設委員会は、区税の賦課・徴収に関する事項、納税者の調査に関する事項、区内の道路・溝渠に関する事項、区有財産に関する事項、衛生に関する事項、区債の償却方法・公園地・共同墓地拡張の計画について臨時調査を要する事項である(札幌区事務報告 自明治三十三年十月至同三十四年九月)。
土木委員会は、土木に関する設計または其事業を調査する。これにともなって常設委員会の関連する事項は削除された(区会決議録 明36)。
常設勧業委員は、区の生存発達上に関し、農業・工業・商業及び銀行・会社等に属する諸調査をすることになっている(同前 明39)。
臨時水道調査委員は、水道敷設に関する事項で発足した(同前 明43)が、大正四年規則を改正し、上下水道敷設順序方法に関する事項、上下水道敷設財政計画に関する事項となった(札幌区例規 大6)。
公園其他設営調査委員は、公園の改良並に設営に関する事項、街路及び堤防の植樹並に公園に準ずべき箇所の美観的施設に関する事項、埋設営造物の配置に関する事項、墓地区画その他経営に関する事項、官民有地の整理に関する事項である(区会関係書類 大6)。
これらの委員会は、都市計画に関係する政策について、それぞれ個々に調査を行うことになっている。このように札幌区では、都市計画法成立以前や札幌区への都市計画法施行以前でも、すでに都市計画的事業の調査を個々に進め、政策を実施していた。