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札幌停車場の整備と新築

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 三十三年事務所及び乗客待合所を西方に新築する予定があったが、経費の都合により手荷物扱所の脇に二〇〇坪余の増築をして当分間に合わせることになった(道毎日 明33・7・5)。
 札幌停車場の狭隘のため、三十五年白石駅を新設したが、炭礦鉄道の国有化、そして北海道鉄道の国有化とすすむと、さらに札幌停車場の重要性が増すことになる。さらに炭礦鉄道当時からの建物ではやはり腐朽がすすんでいることもあり、鉄道作業局では四十年度に改築することにした(北タイ 明39・10・28)。ところが四十年度になると鉄工場設置問題が起こるうちに、十月三十一日機関車の煤煙が二等待合室屋根裏に吹き込んで火災となり、二、三等待合室、事務所などを焼失した(北タイ 明40・11・1)。火災後保線事務所を二等待合所に、物置場を三等待合所として修繕工事を施した。しかし改札所に充用する建物がなく苦労をしている(北タイ 明40・11・3)。そのため新築の計画中で、設計もできたことだから、復旧工事ではなく全部の新築工事をすることになった。その建坪は七〇〇坪に四〇坪の二階建とし、今明年の二カ年の継続事業とする予定となった(北タイ 明40・11・8)。鉄工場工事繰延べの影響で延期されていたが、翌四十一年七月やっと請負入札が行われ、伊藤亀太郎が落札した。二階建て総建坪三五〇坪、請負価格九万三六〇〇円で、八月早々から着手し、本年は外部建物だけ建築を終わらせる予定となった(北タイ 明41・7・10)。十一月末新築庁舎が落成し(北タイ 明41・11・28)、十二月五日より新停車場が開業した(北タイ 明41・12・1)。