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前田農場章程

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 前田農場では二十九年三月に「北海道前田農場章程」を制定し、同農場では「耕作育牛又ハ小作人ニ土地ヲ貸付スル等ノ事業ヲ営ミ専ラ興産殖利ヲ以テ目的トス」(第一条)ることとした。そして本場を茨戸に置いて育牛と農耕の直営を続けるとともに、苗穂と小樽の乳牛場を拠点にして生乳の販売を計画し、本場内の未墾地は小作人による請負開墾とした。また、軽川支場は「土地泥炭地ニシテ開墾前ノ樹林地少ク多クハ叢野ヲ以テ全面ヲ包マレ」ていたが、「年々開拓ノ業ヲ進メ」、四十年頃にはほとんど開墾を終了した。しかし、茨戸本場は石狩川の水害を受けやすく、また幌内鉄道に近接した軽川支場に較べて不便なため、四十年度より軽川を本場とし、茨戸を支場とすることにした(前田農場 牧畜経営法)。
 三十九年度の茨戸本場の小作地は四〇町七反六畝余歩で、一二戸の小作人がいた。また軽川支場は、そのほとんどを小作地とし、支場全体の七三・一パーセントを占める三〇九町二反三畝余歩に四五戸の小作人がいた。同農場におけるこれら小作人の推移を示せば表4のようになるが、最大で八二戸に達したこれらの小作人を、農場側はどのように管理していたのであろうか。
表-4 前田農場の小作地と自営地
年次小作戸数小作料小作面積直営地貸付面積
明2733
 2845414 
 2960813 145.9 82.7 
 3071892 159.7 105.5 
 3173964 195.1 113.8 
 32821,419 259.2 96.7 
 33691,619 365.0 70.8 
 34651,988 409.6 69.5 
 35622,193 390.9 70.9 
 36682,039 384.4 74.3 
 37702,075 380.7 83.4 
 38692,149 409.5 89.1 
 39572,186 430.1 89.1 
大 251391.4 162.3 
  750404.8 
小作面積の中には放牧地を含むが(たとえば明治33年以後50.7町),直営地には加算されていない。