明治四十五年七月三十日をもって、四五年間続いた波瀾万丈の明治は終わりを告げ、新しい「大正」が幕開けした。新聞は七月末の「号天神明の加護奉祈る」(北タイ 明45・7・29)から一転して、札幌区長青木定謙名の大正元年八月一日付札幌区告示「大喪ニハ一年間臣民喪ヲ服スヘキハ皇室服喪令大第十五条、第十九条及第二十条ニ規定アルモ此際一般ニ周知ノ方法御取斗相成タシ」「七月三十一日ヨリ五日間歌舞音曲ヲ停止セラル」「国旗ヲ揚クル者ハ上部ニ黒布ヲ附シ竿頭ノ球ヲ黒布ニテ包ムコト」を区民に達した(北タイ 大1・8・1)。八月上旬は官庁をはじめほとんどの学校、寺社、会社等で先帝の遙拝式が挙行され、九月十三日の「御大喪」でも同様に行われた。