五〇日間にわたる道博は、盛況のうちに幕を閉じた。観覧者総数は一四二万三六六一人にものぼり、観覧団体数は第一・二会場で二三三団体、一万五五二三人であった。切符発売高では合計六二万三九一八枚、また第一会場内の演芸館の切符発売高は三万一二一〇枚、出品売約高は一万二八二五点、六万一七二九円六三銭一厘にのぼるといった予想外の盛況を収めることができた(北タイ 大7・9・21)。
札幌区協賛会が頭を悩ませた、地方からの観覧者のための宿泊施設である共同宿泊所は、豊水・西創成両小学校をあてた結果、宿泊人員一万二九六九人、延べ人員二万一一三一人、宿泊料一万九三〇円四五銭にものぼった。またこの共同宿泊所には常に医師が交代出張していた(北タイ 大7・10・5)。
また、道博会場を身軽になって観覧してもらおうと配慮した携帯品預所は好評で、取扱預手数料は二一七円一五銭となった(同前)。
道博会場の各陳列館のうち、拓殖教育衛生館は拓殖館として、工業館は北海道物産陳列館として残された。また迎賓館、音楽堂もそのまま残されたが、他は競売に付され、それぞれ処分されていった(北タイ 大7・10・16)。
いま一つ、道博の事務員、女看守人、守衛、給事たちは、北大や小樽高商の学生、区内中学校、女学校の生徒たちであった。一様に無料で「生きた学問」を体験したと語るのであった(北タイ 大7・9・30)。