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札幌記者俱楽部

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 大正元年十一月十九日午後五時、豊平館において札幌記者俱楽部の創立総会が開催された(北タイ 大1・11・22)。同会は在札新聞雑誌記者が互いに親睦を厚くし、智識の増進と品性の向上とを図るために結成されたもので、次のような規約があった。
 札幌記者俱楽部規約
第一条 本俱楽部は札幌記者俱楽部と称す
第二条 本俱楽部は部員相互の親睦を厚うし兼ねて智識の増進と品性の向上とを図るを以て目的とす
第三条 本俱楽部は在札新聞雑誌記者を以て組織す
第四条 本俱楽部に加入せんとする者は幹事に届出づべし
第五条 本俱楽部に幹事七名を置き任期は一個年とす
第六条 本俱楽部は毎月一回例会を開く但臨時必要の事項ある時は臨時会を開くものとす
第七条 前各条の外必要の事項は幹事会決議を以て之を定む

 なお、幹事は当分各社一人とされ、星野良平、高橋三吉、高木正三生、山川清、安田仙蔵、桜庭善一郎、鈴木源十郎の名が挙がっている(北タイ 大1・11・19)。この規約は創立総会で第四条の改訂が決議され、原案が可決している。それによると「本俱楽部に加入せんとする者は幹事二名以上の紹介を要す又退会せんとするものは幹事に届出づべし」と改められた。この他三件についても決議され、すべて原案は可決された。当日の出席者は二二人で、以下のとおりである。
 北海タイムス社 山口喜一、梁田政蔵、安田仙蔵、長内清、岩谷直次郎、岡田天洞、金子郡平、戸石正憲、岡田春夫、相神豊吉、石川道三郎、奥村茂俊
 札幌毎日新聞社 星野良平、中川寅三、下川与作、今里準太郎
 小樽新聞支局 高木正三生、佐々木鉄之助
 小樽毎夕新報支局 鈴木源十郎
 北海旭新聞支局 高橋三吉
 北世界 山川清
 北海公論 桜庭善一郎
 この他の会員として、柴田欣兵衛、大島経男、土井栄知、湯浅為吉(以上北海タイムス社)、松本安二、戸田精一、宮原知久(以上小樽新聞支局)、加藤彦四郎(小樽毎夕新聞支局)の八人の名が挙げられている(北タイ 大1・11・22)。
 同俱楽部は大正七年の北海道開拓使庁五十年を記念し、大々的に記念祭及び記念博覧会を開催すべきこと、同時に『北海道史』の編纂の申し入れ等を行っている。これに対し中村長官は、開道五十年祭についてはそれぞれ協議の上方法を講究すること、博覧会の企画も必要であるとしている。『北海道史』の編纂は記念事業としては好個のものではあるけれども、経費の支出はすでに大正三年度は予算が決定しているため、大正四年度の予算編成で必ず計画を立て、経費もそれぞれ計上することとしている(北タイ 大2・12・11)。また、北海道・東北地方の凶作救済のために救済会を設立し、義捐金の募集活動を行ったり(北タイ 大3・3・11)、他に北海道史跡及び天然物保存会設立の件について協議をし、長官の賛同を得ている(北タイ 大3・12・15)。