ビューア該当ページ

展覧会

817 ~ 819 / 915ページ
 このような絵葉書の流行から、札幌絵葉書会札幌絵葉書同盟会などといったものが組織され、彼らの主催による絵葉書展覧会も行われるようになった。三十九年十一月三日~五日にかけて、中島遊園地〓公衆俱楽部において第一回絵葉書展覧会が開催された。余興として「大声発音器」「西洋音楽数十番演奏」「絵葉書模擬売店大福引」「接待茶屋」「記念スタンプ押捺所」等の設備を設け、「参考室」には「欧米最新着カード、ブック」等を陳列して即売を行っている(北タイ 明39・11・3)。
 展覧会にさきがけ、三十九年十月十九日付の『北海タイムス』に展覧会に出品する作品の募集広告が掲載されたが、これによると出品作品は審査員八人の評点を加算し、一等一点、二等二点、三等三点等外秀逸九四点に賞品を進呈するとある。また、投票も行い最高点(五〇〇点以上)を得た者には「銀側懐中時計」を、以下順次五人に「女帯地」「置時計」「掛時計」「袴地」「反物」等が賞品として進呈されることになっている。
 出品物の審査発表は、札幌絵葉書会の機関誌『光』第三号紙上において行うとある。この『光』は三十九年十月十七日に発刊されたが、発行三日目にして第一版全てを売りつくしている(北タイ 明39・10・20)。展覧会でも先着三〇〇〇人に限り、絵葉書一組とともに無料で進呈された(北タイ 明39・11・3)。なお、四日正午の時点での投票最高点は、泉斜汀の「二百七十一号、二百八十一号」、松本英二郎の「五百七十号」、槇鐵男の「特一号」(北タイ 明39・11・5)となっているが、これらがどのようなものであったのかは不明である。