札幌村の村長は二級町村の時期は坂本忠親(大9・7・9~13・1・19)、中崎正敏(13・1・19~13・3・31)、一級町村となってからは許士善太郎、井山顕親、藤木与次郎が歴任していた。
札幌村は昭和九年四月一日に札幌市の隣接住宅地、工業地となっていた大字札幌村、苗穂村、雁来村の一部を札幌市に編入しているが、この村域の分割をめぐってもほとんど問題がなく処理されたようであり、その後、純農村となってからも村政をめぐる混乱は少なく平穏な状勢にあったといえる。
村内の自治団体には札幌村自治会が創設されている。同会は「札幌村在住者及関係地主ノ有志」により構成され、「札幌村自治ノ発展ヲ期スルヲ以テ目的トス」とされ、昭和三年四月十二日に村議会にて可決して創設された(札幌村会議案 札幌村郷土記念館蔵)。評議員は村議をもって充てるとされているので、役場が主体となって創設された村政後援組織のようであるが、具体的な活動は不明である。
役場庁舎は大正十五年秋に一二〇坪、二階建ての新庁舎が五五〇〇円の工費で建設に着手され、同年中に竣工している。昭和二年一月に新庁舎の使用が始められたが、四月一日に村史編纂祝賀会と共に移庁式が行われた。