ビューア該当ページ

区制時代の上水道計画

345 ~ 345 / 1147ページ
 前巻で示したとおり、大正八年六月札幌区会で「上水道布設の件」が可決確定した。それによると、札幌区水道工事費予算を水利権許可の翌年から四カ年継続事業として施設すること、歳入は区債による特別事業とし、費用総額の四分の一は国庫補助、一〇分の一は地方費補助を出願することになっていた。そして総工費三二三万三三〇〇円とその内訳を示す「札幌区上水道工事費予算」が添付されていた(区会関係書類 大8)。
 これは大正十年五月の区会の「上水道布設ニ関スル区会議決変更ノ件」で再確認された。それには地方費補助の出願の部分が削除されている。そして工費総額三四二万六八二〇円の「札幌区上水道布設費自大正十年度至大正十三年度継続歳入出総計予算表」、大正十四~三十八年度の総額三五七万六七四七円の「札幌区上水道給水料収入概算書」、大正十四~三十八年度の総額五四万二〇〇〇円の「札幌区上水道経常費支出概算書」が添付されていた。さらに別の議案として「区公債条例設定ノ件」「札幌区上水道事業特別会計規則設定ノ件」「札幌上水道工事費継続年期及支出方法ノ件」「札幌区上水道事業費大正十年度歳入歳出予算」「札幌区上水道工事費ニ対スル国庫補助申請ノ件」「区営電気事業及上水道事業経営ニ係ル議決ニ付帯議決ノ件」も同時に提出され、可決確定された(区会議事録 大10)。これらの議案で、札幌上水道敷設計画は水利件使用が認可されると即座に実施に移される体制ができた。