札幌での電話加入者や通話度数は、この時代も順調に伸びている。とくに昭和三年
札幌郵便局電話分室が新築された際、電話交換の方式が磁石式から共電式となり、それまでのようにハンドルを回さなくても受話器を取り上げるだけで電話局とつながるようになった(北タイ 昭3・2・4、10夕、11など)。そして昭和十二年四月一日からは電話料金を度数制に切り替え基本料金と使用度数の合計とした(北タイ 昭12・1・30、3・31など)。
日本の産業社会の発展は、国内、国際電話網を拡大していった。そのため大正十五年九月
札幌東京間の直通通話が開通し(北タイ 大15・9・7夕など)、さらに
札幌が国際電話網にも組み込まれ、昭和十一年から国際電話も開通した(北タイ 昭11・6・7、14)。また
札幌から他地域への市外通話回線も毎年のように回線数を増やしていった。
この時代の通信数は、表27の通りである。大正十五年の利用度数の増加は、上記の
札幌東京間直通電話の開通の影響であろう。また昭和十二年の利用度数の急減は、料金の度数制導入のためと思われる。
年 | 電報 | 電話 |
発信数 | 着信数 | 加入者 | 通話度数 |
大12 | 540,725 | 489,944 | 2,777 | 16,755,951 |
13 | 359,825 | 483,808 | 2,865 | 18,944,235 |
14 | 349,717 | 487,148 | 3,328 | 18,372,335 |
15 | 336,122 | 496,530 | 3,414 | 24,466,311 |
昭 2 | 350,838 | 486,604 | 3,418 | 24,133,333 |
3 | 391,693 | 527,289 | 4,020 | 24,650,265 |
4 | 371,377 | 528,632 | 4,274 | 25,820,339 |
5 | 359,815 | 513,624 | 4,468 | 26,869,289 |
6 | 322,138 | 470,599 | 4,534 | 28,525,521 |
7 | 386,512 | 496,750 | 4,657 | 35,828,321 |
8 | 508,931 | 488,078 | 4,744 | 43,168,181 |
9 | 476,817 | 446,694 | 4,836 | 45,152,076 |
10 | 482,383 | 461,252 | 4,968 | 41,581,035 |
11 | 557,894 | 496,104 | 5,222 | 40,180,472 |
12 | 574,472 | 548,608 | 5,530 | 16,311,098 |
13 | 777,669 | 754,880 | 5,704 | 21,175,082 |