中央物価委員会では、十三年七月以降、工業薬品、ゴム、繊維品にはじまる公定価格を「標準最高販売価格」という形で決定していった。北海道地方物価委員会でも、綿製品二三品目、麻製品一一二品目、皮革製品一九品目、工業薬品一一品目、ゴム製品一五品目、金属製品八四品目につき標準最高価格を決定し、北海道庁告示として八月十日公布施行された。これは、物品販売価格取締規則(商工省令、七月九日公布)に基づく公定価格であり、取締には道経済保安課が当たった(北タイ 昭13・8・11)。その後も八月に綿製品六八品目、毛製品二六品目、工業薬品三品目、ゴム製品三五品目を追加し(北タイ 昭13・8・12)、十月には鉄製品、和洋紙、石炭などを追加・決定し(北タイ 昭13・10・15)、翌十四年七月には、織物、燃料、食料、化学工業品、農機具につき追加・決定したのである(北タイ 昭14・7・25)。
十月には、価格等統制令が地代家賃統制令・賃金臨時措置令・会社職員給与臨時措置令とともに施行され、九月十八日現在の水準に釘付けされることとなり、「九・一八ストップ令」とも呼ばれた。
さて、主食の米は、この時期まで公定価格が定められず、札幌米穀小売商業組合の決定に任されていた。同組合では、白米の小売値段をたびたび改正(引上)し、発表している。十四年には、内地の水不足、朝鮮の干魃による凶作が予想され、米価は上がった。札幌米穀小売商業組合では、六月に一俵当たり小売値を黒石産上一六円八〇銭に値上げし、さらに七月黒石産上一七円二〇銭へと値上げした(北タイ 昭14・6・22、7・4)。