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貧困者の実態

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 保導委員が調査した貧困者の実態を次にみてみる。大正十三年十二月段階である。
(1)北八条東三丁目無職男(58歳)。数年前より心臓病で治療中だが、貧困ゆえ医薬さえ与えられず、妻(39)は附添看護婦として日給八〇銭を受け、長男(13)は納豆売りをし、二男・長女(7)、三男(5)の六人家族でかろうじて糊口をしのいでいる。
(2)白石町八番地無職女(45)。夫(53)が東京方面へ出稼ぎに出たまま音信不通、長男(14)が近年病死、二女、四女は奉公中、三男(9)、四男(7)、五男(4)の家族を抱え、長男亡きあと収入無し。
(3)豊平町一八番地屑拾い男(75)。老衰のため労働不能、妻精神障害。

 このように、貧困者が一家の働き手を失ったり、疾病、老衰、子だくさん等々さまざまな要因を抱えていたことを示している。