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『こだま』『蟹』

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 昭和五年には山本秀憲、伊藤正、中村郁夫、粕谷貞一、西丘はくあ、関山祐一郎らによる『こだま』が創刊され、昭和十年くらいまで刊行された。写実を旨として芸術性を追求する集団で、会員による短歌作品のほかに評論、万葉集研究、随想などの欄を設けて会員相互の研鑽をはかったところに特徴がある。
 『』の創刊は昭和六年五月で、十二月まで五号を出した。主要同人は加清保、今井節、氏家東園、黒田信二、村木栄子、石井みのる岸正夫水城志郎、玉川雄介などである。並木凡平の『新短歌時代』のあとを受けて純生短歌の樹立を計ったが短命に終わった。