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札幌預貸状況と信用保証状況

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 こういう環境の中で札幌市内の預貸状況等はどうであったか。表でみていくことにするが、この間(昭40~47)の卸売物価指数の上昇率が一一・一パーセントであることを考慮に入れたとしても、それぞれの成長にはめざましいものがあったといえよう。
 まず札幌市内の全国銀行、相互銀行、信用金庫、信用組合の預貸状況について前掲表17によれば、全国銀行の預金は四十年の二一五一億四〇〇〇万円から四十七年の七五九二億三〇〇〇万円へ約三・五倍に増加し、貸付金は二一二九億六〇〇〇万円から七二五七億五〇〇〇万円へ約三・四倍に増加している。同様に相互銀行の預金は三五七億一〇〇〇万円から一六二四億三〇〇〇万円へ約四・五倍、貸付金は三六一億四〇〇〇万円から一三六〇億七〇〇〇万円へ約三・八倍、信用金庫の預金は一五九億円から七五三億一〇〇〇万円へ約四・七倍、貸付金は一二三億二〇〇〇万円から六九〇億四〇〇〇万円へ約五・六倍、信用組合の預金は五九億四〇〇〇万円から三二三億九〇〇〇万円へ約五・五倍、貸付金は四八億七〇〇〇万円から二三九億四〇〇〇万円へ約四・九倍、それぞれ増加している。増加倍率の違いからも読みとれるが、シェアをみると、全国銀行の引き続く地位低下とは対照的に相互銀行、信用金庫など中小金融機関の伸張が著しい。たとえば預金のシェアは、全国銀行が七八・九パーセントから七三・八パーセントに大きく低下しているのに対して、相互銀行は一三・一パーセントから一五・八パーセントへ、信用金庫は五・八パーセントから七・三パーセントへ、信用組合は二・二パーセントから三・一パーセントへと着実に伸ばしているのである。また全体の預貸率についてみれば、いざなぎ景気の始まる四十一年に一〇〇・三というオーバーローン現象を呈しているが、その後次第に低下し、四十六年九〇・二パーセント、四十七年九二・八パーセントとなっている。
 前掲表18によって札幌市内全国銀行の全国に占める割合をみると、預金は四十年の一・〇パーセントから四十七年の一・一パーセントへ、貸付金は一・一パーセントから一・二パーセントへ、それぞれ微増した。
 表25にはこの間の信用保証状況が示されている。北海道全体の保証申込件数は四十年の五万六五二二件から五万二二五四件へと減少しているが、金額は二七七億九〇〇〇万円から五八八億七〇〇〇万円へと増加しており、一件当たりの金額が増加した。保証承諾件数は平均で九七・〇パーセント、金額で九二・七パーセントであり、前の一〇年間の平均と比べて低下した。札幌の保証承諾件数は八一〇〇件から四十五年の一万六六〇一件を経て九七六四件へと推移し、金額は六〇億円から四十六年の一三九億二〇〇〇万円を経て一二八億四〇〇〇万円へと推移している。全道に対する割合は、平均で保証承諾件数が一八・八パーセントであり、前の一〇年間と比べ増加しているが、金額では二三・一パーセントであり、ほとんど横ばいであった。
表-25 北海道と札幌の信用保証状況(昭和40~47年度)
年度北海道札幌
保証申込保証承諾保証承諾
件数(A)金額(B)
(億円)
件数(C)C/A
(%)
金額(D)
(億円)
D/B
(%)
件数(E)E/C
(%)
金額(F)
(億円)
F/D
(%)
昭4056,522277.955,34497.9262.294.48,10014.66022.9
 4163,524371.761,67697.1346.793.39,56215.574.721.5
 4266,904458.264,38496.2413.190.211,59218.099.424.1
 4367,392497.864,22795.3448.290.011,77318.3106.123.7
 4460,790485.358,80796.7453.393.410,59818.0103.722.9
 4558,644556.157,12897.4514.792.616,60129.1119.723.3
 4659,756641.958,53598.0600.493.510,75618.4139.223.2
 4752,254588.751,22498.0555.594.49,76419.1128.423.1
485,7863877.6471,32597.03594.192.788,74618.8831.223.1
北海道信用保証協会四十年史』240,241,249,259頁より作成。