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企業合理化の進行

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 デフレ政策の波は翌年以降も継続し、二十九年六月の日鋼室蘭争議は一九六日間に及ぶ長期ストに発展して組合が分裂し、双方の組合員による乱闘事件まで発生した。札幌税務所管内でも同年八月末までに二五八件の解散や休業が続出し(道新 昭29・9・24)、進駐軍要員労働者の解雇問題も本格化した。北海学園では定年制や労働協約問題により組合(一〇四人)が無期限ストに入るなど争議が長期化し、三十年三月、札樽金属労組中山機械支部(一〇一人)は、二十八年の四二人解雇についで実に七六人整理の通告を会社側から受けた。交渉は難航し、組合内部に足並みの乱れも出て、整理人員を六六人に縮少し立ち上がり資金一万円支給などで譲歩し三月二十九日妥結した(労働争議調整事件集録)。また田井自動車工業(九七人)では、赤字累積で整理問題が浮上したことから利害関係により労組から従組と職組が分裂し、四月、人員整理案が三つの組合に提示され、退職金増額等を条件に職員一二人・工員一一人整理で妥結した(資料北海道労働運動史 表3)。
表-3 札幌市における要求事項別労働争議状況の推移(昭和28年-47年)

区分

 
 
年度
争議発生総数要求事項別争議件数及び参加人員北海道の争議総件数北海道の争議総参加人員
争議件数争議参加人員賃金・手当増額整理・解雇反対その他
件数参加人員件数参加人員件数参加人員
昭283528,5612210,440817,5625559114241,965
 291412,916108,60124,130218590194,361
 30102,09481,6432451123282,191
 311720,2641318,74231,51319118186,389
 321111,115810,44122321442176524,504
 33157,896137,7782118221458,075
 342615,7451811,009116314,573171377,395
 353452,7142628,712154723,948223389,840
 369233,6354123,12311455010,367238336,879
 376331,6325723,81837,1313683231396,649
 382739,7542438,69021,06311148150,836
 394122,6723716,90745,765139136,716
 404342,9474242,1221825179175,704
 4154513249198,031
 423310,197298,554131,643271128,506
 433425,5843425,584182191,182
 446035,9335333,796252651,611201179,697
 454215,2653813,990211021,16518195,386
 468221,3227721,240582383657,318
 474916,4604715,4952965391409,692
『札幌市統計書』(昭34,41,49)(原資料出所は北海道石狩支庁労政課)及び『資料北海道労働運動史』より作成。
1件の労働争議で2つ以上の要求事項がある場合は主たる事項により集計。