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環境条件と消えていく疾病

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 北国の環境と病気の関連性については、冬季の日光とビタミンD不足による幼児のクル病の発生がある。二十五年の乳幼児体力検査結果によると五〇〇〇人中三五〇人が発見されたものの(広報 昭26・1・5)、日光浴や肝油療法などの推進によって三十年代前半にはほとんどみられなくなった。また人糞肥料の使用にともなう寄生虫病問題は、市の二十五年調査では寄生虫保有数が六〇・八パーセントと高い数値を示していた。市は三十四年、国が定めた寄生虫予防対策実施要綱(昭34・6)に基づき、回虫病および十二指腸虫病を重点に定期的検便と駆虫の実施、寄生虫卵を死滅させる屎尿処理場を建設した。その後、化学肥料への切替や水洗便所の普及により、四十六年には寄生虫卵保有者が一般〇・九八パーセント、学童〇・九八パーセントと急激に減少した。また、トラホームも二十六年の学童検査では罹患一五パーセントでそのほとんどは慢性結膜炎であったが、四十六年の検査では皆無となった(市衛生年報 各年)。