図-1 市議会への陳情・請願件数(昭23~47)
三十年を中心とする陳情・請願の第二のピークは、小学校に関するものが多い。三十年には件数の四分の三を占め、その内容は学校建築・増改築や環境整備に関するものであった。
二十四年に道内では第一次ベビーブームがピークを迎えた。出生数は約一六万四〇〇〇人であり、札幌市でもその傾向は同様であった。市では二十五年に美香保・二条小学校を建築落成し、その後も学校建築を進めた。二十九年二月に、市では「小中学校教室難解消五カ年計画」を作成し、実施に移した。しかし第一次ベビーブームの子供たちが小学校一年に入学した三十二年には教室不足が深刻化し、市内小学校一一校で二部授業が行われるという事態が起こった。二部授業がおこなわれ、学校が不足したのは札幌市の周辺部であった。三十三年に新設された四校の小学校は、すべてが周辺部であり、三十四年においても周辺部九校の通学区域が変更となっている。